女流書道家 柏木白光さん
那智の滝前で制作 大社に作品「飛瀧」を奉納
【紀南新聞 2009年(平成21年)6月21日(日曜日)】

大分県出身の女流書道家、柏木白光さんは19日、熊野那智大社(朝日芳英宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社拝所で、自身の作品群「道シリーズ」の第1作「蘇(よみがえ)りの聖地熊野那智」ならびに同大社奉納作品「飛瀧」を制作した。

柏木さんは書家である父の指導で6歳のときから書をはじめ、1988年の毎日女流展でグランプリを受賞した書道家。1992年には成田空港ロビーに作品「般若心経」(全長7メートル)が掲げられたのをはじめ、音楽家とのジョイントで書を揮ごうするという海外公演や、伊勢神宮・明治神宮・靖国神社への奉納を重ねており、近年では自衛隊イラク派遣時に看板「サマーワ宿営地」を揮ごうしたことでも話題を集めている。

今回の制作は、ペルーのマチュピチュで制作に臨んだ折に歩んだインカの道に刺激され、日本の熊野古道を舞台とした作品群「道シリーズ」を作ろうと思ったことがきっかけ。そして道シリーズの出発点として、古代から信仰を集める那智の滝(大己貴命の神体)の御前を選び、同大社への奉納とあわせて、第1作を制作するに至ったという。

同日は午前7時30分から制作開始。朝日宮司からじかに説明を受けたあと、しばし滝と対峙(たいじ)して印象を膨らませ、それを投影するように第1作、続いて奉納作品「飛瀧」を製作。

「那智の滝からは強烈な力強さを感じた」とする柏木さんは、持参の筆ではその印象を表現できないとし、急きょ藁(わら)を束ねて筆代わりにして那智の滝を描写。奉納作品は持参の筆のなかでもっとも極太のものを用い、『飛瀧』の2文字を、印象をありのままに表現するように揮ごうした。

制作の始終を見守った朝日宮司は「奉納いただいた『飛瀧』の2文字からは、滝の持つパワーがありのままに伝わる。実に素晴らしい作品だ」なと作品への感銘を談話。

また製作を終えて、「滝から授かった力強さで、本宮、そして中辺路で順次作品制作を重ねてゆきたい」と柏木さん。同日は那智大社の紹介で本宮大社の九鬼宮司も訪ね、さらに中辺路経由で白浜町を目指した。