神社新報 2014年2月17日
新宿で柏木白光氏の作品展
「天と地~熊野へ捧げる書巡礼」

書家・柏木白光氏の墨アート展「天と地~熊野へ捧げる書巡礼~」が1月9日から15日まで、東京都新宿区の京王百貨店で開催され、多くの人出で賑はった。

柏木氏は平成21年から5年に亙り、熊野に繋がる伊勢路・紀伊路・大辺路・中辺路・小辺路・大峯奥駈道にある54の社寺を廻って作品を制作する「書巡礼」をおこなってきた。神社関係では、同年6月19日の和歌山県東牟郡那智勝浦町・熊野那智大社(朝日芳英宮司)を皮切りに、伊都郡かつらぎ町・丹生都比売神社(丹生晃一宮司)などに参拝して書を制作。今回、その際の作品群「天と地」を中心に展示を開催した。

今回の作品群について、朝日宮司は5年前に柏木氏が参拝・作品制作をおこなった際の様子を、「柏木氏の作品に、神職が意識すべき崇敬者の信仰の強さの一端を垣間見た。神仏が熊野の地で共にあることを表現できたのではないか」と回顧。また一昨年11月18日に柏木氏が参拝し、作品を制作した丹生都比売神社の丹生宮司は、「芸能は神に捧げ、喜んでもらふもの。熊野といふ『祈りの源泉』をすべて廻って、神仏に近い所で制作されたことはひじょうに良かった」と語ってゐた。

「書巡礼」について柏木氏は、「修験の道を辿る道は険しく、当初は3年の予定だったが5年かかった。過去の人々はどれほど思ひを深くして魂の再生・力を感じるこの熊野に赴いたのか、これからもライフワークとして続けていきたい」と話してゐた。

作品は今後も各地で展示する予定。

なほ、平成15年以降の本紙題字は、柏木氏の揮毫による。

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